肩こりが起こるメカニズムについて
1、 肩こりはなぜ起こるのでしょうか?
こう聞かれると多くの人は、「姿勢が悪いから起こる!」、「肩の筋肉が緊張している!」、もしくは「肩の血液循環が悪くなっている!」と答えるのではないでしょうか?
確かに肩の筋肉が緊張し血液循環が悪くなると、血液によって送られる酸素や栄養が送られなくなる上、筋肉の活動によって使われて出来た疲労物質などの回収も十分に行われなくなるので、肩が重い、ダルい、痛いなどの肩こり症状が現れてきます。
一般的な肩こり解消方法では、肩の筋肉をマッサージ受けることを考えるのではないでしょうか?マッサージは筋肉を揉み解しと緊張をゆるめることで血液循環をするので、肩こりの症状は軽くなります。(マッサージで楽になる人はマッサージを受ければOKです!)
しかし、マッサージを終えて帰ると翌日ではないにしろ、すぐに元の肩こりの状態に戻ってしまうという人は少なくないはずです。(自分も経験があります。)ひどい人ならマッサージを終えて帰るときにはもう肩こりが戻っているという人もいます。本当に肩の周囲の筋肉に原因があって肩こりが起こっているのなら、その筋肉がゆるめば、肩こりは解消しなければいけないはずです。
ではマッサージで解決されない肩こりの本当の原因は何なのでしょうか?
2、 オステオパシーによる肩こりへのアプローチ方法
オステオパシーでまず身体を診る時に大切にしていることは、
「身体はみんなつながっている!」ということです。
不良姿勢によって肩の筋肉が緊張したり、血液循環が悪くなったりして肩こりを起こしているのは身体のバランスが崩れた最終的な結果として現れたものです。
ですから、全身をみて、バランスを崩している根本的な原因を探すことから始めなければいけません。
オステオパシーでは、どのようにしてアプローチするのかを過去の臨床例をみて頂こうと思います。
3、 過去の臨床例
何十年も肩こりがひどく薬を飲んでもあまり効かず、もどす事もあり寝込むほどだった。(K・Aさん 40代女性 会社員 神戸市 灘区在住)
≪所見≫
初回:右手の手術痕、十二指腸、右第4肋骨、左第5肋骨の制限
2回目:心膜の制限
手術の痕が筋膜を引っ張ることで身体のバランスに大きく影響を出していた。
≪施術内容≫
右手手術痕 → 筋膜リリース
十二指腸、心膜の制限 → 内臓マニピュレーション
肋骨の制限 → インダイレクトテクニック(ゆるやかな矯正方法)
結果:初回で痛みはほぼ感じなくなっていたが、動きに制限が少し残っていた。10日後、2回目の施術を行い、痛みもなく動かせる範囲も正常に回復したため、目標達成と判断し患者さんの了解を得て施術を終了した。
≪患者さんの感想≫
あまり気にしていなかったが、お通じが良くなった。肩こりがひどくて薬を飲むこともほとんどなくなり、生理痛は全くなくなった。
≪院長の考察≫
この方は慢性的な肩こり・頭痛の症状さえなくなれば良いという事でしたので、2回の施術で終了としました。ここで見ていただきたいのは、私は肩こりに対して肩の筋肉には全く施術をしていないということです。この方の根本的な原因を取り除くことで身体は自らバランスを取り戻しました。その結果、肩の緊張はほぐれ、血液循環も改善し症状は出なくなったと考えられます。
※肩こりのある人に必ずこの手順・回数で施術を行うわけではありません。
※施術効果には個人差があります
また慢性的な症状をお持ちの方は体がゆがんだ状態が長く続いているので体全体の活力の増強を行ったり、生活習慣を改善したりする方がより長く良い状態を保つことが出来ます。